家族内冷戦の話
わが家では見えない戦が起こっている。
祖母vs父と母
祖母が拗ねてるのが原因なので、セオリー通りにいくと孫である自分は弱い立場の祖母の肩をもつ風に振る舞うのが良いのだろう。そんなこと頭では承知してる。
しかし、かく言う私も祖母と会話することが負担になってしまうのだ。
祖母はもうぼちぼち80歳になろうかという年齢。耳も、目も、頭も若い時とは変わってきている。片付けができなくて明るくて世話好きな性格は変わらない。
まず起こったのは騒音問題。私が音を大事にしがちなこととも相性が悪かった。
耳が悪くなると喋る声が大きくなる。テレビやラジオの音も、足音も。
若い人でもだいたいのことは耳栓をしてみたら体感できるよ。聞こえないと足音も大きくなったり、立てる物音ひとつが大きくなる。喋り声だけは骨を伝うからあんまり効果ないけど。
そうして祖母が立てる音が軒並み大きくなって、近くにいるのがストレスになってしまっていた。足音なんて、振動もくるからたまったもんじゃない。
一応対策に耳栓は買った。音対策は一応これ。
さて次は頭の老化(と、もともとの性格)です。
会話ができない。
正確には文脈を全く汲んでもらえない。
Aの話をしていたら、突然要領を得ない発言をする。よくよく聞くとBのことについての発言だったらしい。私がBについてコメントすると、次はCの話を勝手に始める…
といった風である。あちこち振り回された挙句、私いらないじゃないか…と思う。だって人の話を全く聞いてないじゃん。もうAI相手に喋ってればいいのに。
これは今に始まったことじゃないらしいんだけど、飲み込みの悪さと耳の悪さが相まって大変ストレスフルなのだ。
最後に、もうひとつ困ることがある。
目が悪くなったことに主に起因する。
たとえば食品のパッケージを見ても、それが何か分からないので的はずれなことを言ってくる。残り物のお皿の上の料理が何かわからない。ひどいと食べるまで分からない(笑)
これらの合わせ技が日常茶飯事なのだ。
一緒にテレビを観ていると、
「これはどこだえ?」
と祖母。…テロップにでかでかと書いてあるじゃないか。
「○○だよ、書いてある」
って言ったら
「さすがささみちゃんだねぇ、すごいねぇ」的な反応をされる(ほめられても悲しくなるだけなのだが) か、昔○○に行った話を割と詳細に話してくる。私の知らない誰かと旅行に行った話。いやだからその人知らないってば。それどこよ。その中に共通の話題を持とうと (私の中では半自動的に) 探すのも虚しく、勝手に話が進んでいく。
祖母と会話をすることは、不可能ではない。我慢して合わせていればいい。
ただただひたすらに虚しくて疲れる。会話ができていない。私の話も、私がどう受け取るかも、そんなの全く気にしていない相手と話してられない。
そして家族内冷戦はそんな真っ只中に、祖母の飲み込みが悪いことで始まったのでした。祖母の反抗期。
祖母と口をきかないことにすれば何も気にすることはない。ストレスフリー。でもたまに、構ってあげようという気になった時に話してる。週に2回くらいかなぁ。ほめて。
……身近な人を家族から孤立させてしまっている。
自死というものがリアリティをもって感じられるいま、たまに不安に思うことがある。
家族と喋らなくなり、もちろん家族の前であまり笑わなくなり、これが老人性うつの始まりだったら…ある日突然いなくなったら、私も、両親もどう思うだろう。
ふとそこまで想像して怖くなることがある。
今のところは祖母は友達近所や親戚とよく喋ってるみたいだし、その時はいつも通りだからまあ平気かなと放置している。(その電話の声がちょー五月蝿いんだってば)
適度に離れつつ、見守っていくのが私のベストポジションかなと思っています。
以上戦略でした。
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