遺品の楽器にセンチメンタル
ギターじゃなくて、マンドロンチェロの方です。そう、亡くなったパートナー氏もマンドロンチェリストだったんです。
そのチェロを後輩たちに貸すことにしました。私も楽器は持ってるから、もう一台はお世話しきれないと。
楽器は弾きこむほどに奏者の音に染まってゆく。彼の楽器も、彼の音がまだしてる。ついでに匂いもする。木だからね、匂いが移りやすいんだ。
そんな、一番思い入れのある、彼を知る人にとっては意味を持ちすぎたチェロを後輩たちにお貸しすることに決めた。
受けわたすことに抵抗はない。
楽器は弾かないと鳴らなくなる。死んでしまう。誰かに弾いてもらうのがいいだろう。
でも今疲れてるからかな、ものすごくさみしい。さみしい。sempre さみしさ!!
こっからキモいけど読みたかったらこのままどうぞ。
さっきケースを開けて中身をチェックした。匂い、懐かしい匂い。音。丁寧とはいえない入れ方してあった。ケースだってボロボロだし。そういう人だったなぁ。かわいい。
楽器を抱きしめて、心の中で涙を流してた。
現実では泣けない病だから、心の中で。
抱きしめて、匂いに包まれて、あの時の幸せを一瞬だけ感じて、それでまた、さみしくなった。
あした、この子は後輩のもとへと受けわたす。
さようなら、あなたの楽器。後輩ちゃんに弾いてもらう間に後輩ちゃんの音になってゆくだろうから。1年くらいかけてゆっくりと。
だから、すごく決定的な別れを感じる。
あなたの音がもう聴けない。
でも放置しても楽器は鳴らなくなってゆくものだから、ここらへんでお別れだ。
ありがとう、あなたのチェロ。
一緒に弾いた曲たち、ステージ、いろんなことを忘れない。
ただの楽器の受け渡しじゃない。
明日は別れの日だ。
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