口にできる言葉、できない言葉 / 周囲に自分の状態を伝えたい

かつてから思ってたんですが、書くことと話すことの差異は、意外と大きい。そして、頭の中で浮かんでいる言葉たちや、言葉未満のものもある。

そのうち他者に伝わるのは口にした言葉だけという場合が多い。


話が抽象的すぎて伝わらないから、実際何があったか白状すると……

私は家族に自分の症状やつらさをきちんと伝えられていないのです。苦しい、しんどい、つらい……時に死のこと。それらを口に出せないからこそ、私が感じている苦しみは軽んじられてしまう。
それで代わりの表現を探すと、眠いとかだるいとか、当たり障りのなさそうな言葉に変わってしまう。そして、事の深刻さは伝わらないままという現状があります。

深刻に思われていない、まして自殺を考えたことがあるとは想像はするかもしれないけど、受け容れてはいないでしょう。親に死にたいなんて言えないよね。きっとそれは両親を深く傷つけてしまう事実だから。

とはいえそのせいでわたし自身は家族と会話することが苦痛です。特に大勢の場。
ちょっとした言葉尻に毒がある。彼らにとっては当たり前なんでしょう。鬱なんて理解できないしする必要もない。事件が起こったら「ありえないよね、サイコパスじゃね?」くらいのノリでコンテンツとして消費されてゆく。
テレビが好き、学はない、働くこととお金が価値の全てであるかのように振る舞う家族、主に父と同じ場にいるだけで私は傷ついていく。きちんと自分の意見を述べることもできるけど、そんなのは焼け石に水、もう諦めているから、私は夕食の場に家族が集まる日は逃げるということを覚えました。




……話を戻そう。
こういうしんどい家庭環境の原因のひとつには、つらさを言葉で伝えられていないことがあると思うのです。
皆はどうなのだろう。具合悪いとか、しんどいとか、つらいとか、死にたいとか、どこまで家族の前で口にできますか?

診察の場でもそう。どうしても言えない。調子が悪くて…までは言えても、具体的に感じていたものまでは書面でないと伝えられない。

相手に内心ドン引きされたら嫌だというのもあるけど、それ以上に口にすることそのものに抵抗を感じるのです。
例を挙げよう。

【家族や誰にでも口に出して言えること】
ねむい
だるい
○○したくない(お誘い拒否)
体調が悪い(過去のこと限定)

【医療者、理解のある人になら言えること】
しんどい
つらい
苦しい
悲しい
体調が悪い(現在)
床にへばりついて1日過ごす話
恋愛感情(過去)

【文書に書くことならできること】
死にたい
自殺未遂(?)の件
恋愛感情(現在)
嫉妬、傷ついたことなど自分の弱み

【頭の中で浮かんでいて、書けも言えもしないこと】
かけません。でもほとんど思い当たらない。隠すことができない言いたがり人間なので。

【頭の中で浮かんでいて言語化されていない何か】
絵や挙動なんかに現れます。自覚はしている。自覚してないとこにも出ているかもしれない。




……書いてみて分かったけどあんまりうまく分類できてなさそうです(笑)
でも云いたいことは伝わるかな。

医師の前ですら、死にたいとか、自殺の計画や具体的な方法を用意していることは言えない。書面にして見せるのも……後者はできない。

じさつ、と口に出すことに抵抗があるけれど、じし、なら言える。
そんなふうな些細な違いがもとで、周りの環境が私にとって居心地の悪いもののままになってしまっている。

うまく伝える方法を考えようってことになるのかな。

それにしても、言える言えないの境界線が何によって変わるのか、純粋に興味のあるところでもあります。

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